訴訟・判例

2016年3月25日 (金)

預金の分割の審判、大法廷回付

預金の分割、大法廷が判断へ 遺産「対象外」見直しか http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG23HAW_T20C16A3CR8000/
日経の記事です。
最高裁は2004年の判決などで「預金は相続によって当然に分割されるため遺産分割の対象外」としており、一審・大阪家裁と二審・大阪高裁は判例にしたがって分割を認めなかった。
この判例は、司法書士としては、当然知ってはいますが、実際の運用というか、金融機関の取り扱いとしては、自己の法定相続分だけの払い戻しを請求しても、なかなか応じてはくれません。
相続人全員の印鑑がないと無理でしょう。
小法廷から大法廷へ回付ということは、判例変更の可能性が大きいですね。

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2016年3月 2日 (水)

法を枉(ま)げずに法に情けを注ぐ

昨日、「認知症事故訴訟」の最高裁判決を聞いて、最初に思い浮かんだ言葉は、これでした。
 「法を枉(ま)げずに法に情けを注ぐ」
 この言葉は、忠臣蔵の赤穂義士の処分を巡って、幕閣で議論が二分したとき、政治顧問だった荻生徂徠が「切腹説」を採る理由として挙げた言葉です。
 今回の最高裁の判決は、在宅介護の実態に即し実情を理解した判決だったと思います。

先ほどの荻生徂徠の話は、江戸落語で「徂徠豆腐」として演じられています。

徂徠豆腐( 引用 wikipedia)
 落語や講談・浪曲の演目で知られる「徂徠豆腐」は、将軍の御用学者となった徂徠と、貧窮時代の徂徠の恩人の豆腐屋が赤穂浪士の討ち入りを契機に再会する話。
 江戸前落語では、徂徠は貧しい学者時代に空腹の為に金を持たずに豆腐を注文して食べてしまう。豆腐屋は、それを許してくれたばかりか、貧しい中で徂徠に支援してくれた。
 その豆腐屋が、浪士討ち入りの翌日の大火で焼けだされたことを知り、金銭と新しい店を豆腐屋に贈る。
ところが、義士を切腹に導いた徂徠からの施しは江戸っ子として受けられないと豆腐屋はつっぱねた。
 それに対して徂徠は、「豆腐屋殿は貧しくて豆腐を只食いした自分の行為を『出世払い』にして、盗人となることから自分を救ってくれた。法を曲げずに情けをかけてくれたから、今の自分がある。自分も学者として法を曲げずに浪士に最大の情けをかけた、それは豆腐屋殿と同じ。」と法の道理を説いた。
 さらに、「武士たる者が美しく咲いた以上は、見事に散らせるのも情けのうち。武士の大刀は敵の為に、小刀は自らのためにある。」と武士の道徳について語った。これに豆腐屋も納得して贈り物を受け取るという筋。
 浪士の切腹と徂徠からの贈り物をかけて「先生はあっしのために自腹をきって下さった」と豆腐屋の言葉がオチになる。

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2014年10月23日 (木)

遺言書の押印、花押でもOK

花押が使用された遺言書を福岡高裁那覇支部は23日、印と認定できると判断した一審那覇地裁判決を支持し、有効と認めた。
http://www.47news.jp/CN/201410/CN2014102301001314.html
民法968条には、「印を押さなければならない。」と規定されています。

花押といえば、歴史上有名なのは伊達政宗の鶺鴒(セキレイ)の花押ですね。
一揆煽動の疑惑で豊臣秀吉に呼び出され、証拠の文書を突きつけられた政宗は、「その文書の花押の鶺鴒の尾に針の穴がないので、それは偽物だ。本物には、針で穴をあけている。」と見事な言い逃れを行なった。
それまで送られた他の文書との比較で証拠文書のみに穴がなかったため、やり過ごす事が出来た。実際にはどうも2種類の花押を使い分けていた可能性が高く、秀吉も怪しいとは、思ったが確証がないので、お咎めなしになったという話があります。

なお、現在でも閣議書には、印鑑ではなく花押を書くのが決まりなので、大臣になった政治家は、すぐに花押をデザインしてくれる職人さんに発注するのが決まりらしいですよ。
花押は、何度も練習しておかないと同じようには書けませんからね。

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2013年9月 5日 (木)

婚外子相続分差別規定に違憲判決

 たぶん、こういう結果になると多くの法律関係者は、見ていたでしょうね。
最高裁の裁判官15人全員による大法廷が開かれるということは、判例変更または違憲判断が下される可能性が多いですから。
通常の従来の判例を踏襲した判決の場合は、裁判官5人による小法廷で行われますから、「大法廷」と聞かされたときに「すわ、違憲判断か?」と思ったことでしょう。

 さて、現在は、講学上も「婚外子」、「婚内子」とおっしゃる先生が多いと思いますが、法文上は、「嫡出でない子」、「嫡出である子」と規定されています。私が学生だった頃は、「非嫡出子」、「嫡出子」というのが普通でしたが、今はそういういい方はよろしくないということで、婚内・婚外という方が多いと思います。
 私も法律婚制度は、維持すべきものとは考えますが、子供の幸福を第一に考えるという視点、婚外であろうと生まれてきた子に何の落ち度もない訳ですし、選んで生まれて来ることも出来なければ、後日の自分の力・努力で婚外子という身分を解消できるわけでもない。逆にそういう立場の子だから、本来余計に保護されるべきかもしれない。という考えもあってしかるべきだと思います。
その意味においては、今回の決定は、非常に良かったと思います。

 後は、国会の法改正ですね。法務省は、実は以前に改正案を作っていたのですが、一部の国会議員の反対が強くて、提出できなかったという経緯があります。

 ところで、今回の最高裁大法廷決定は、現行の規定を前提に裁判や当事者の合意などですでに確定的となった他の遺産分割について、今回の違憲判断は影響を及ぼさないと判示しています。
理由は、「解決済みの事案にまで影響すると著しく法的安定性を害する」とし、過去に遡って遺産分割をやり直すことはできないとの判断を示しました。

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2013年3月26日 (火)

初めて出ましたね。選挙無効判決。

最高裁も違憲だと言っているが、無効とまではしなかった。
しかし、国会がいつまでも放置しているので、高裁は、しびれを切らして、「無効」を宣言しちゃったんでしょうか。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130326ddm003010175000c.html
こういう「将来の無効」という手があったことは知らなかったなあ。
早く是正した方がいいですね。

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2013年3月19日 (火)

成年後見規定、今国会中に改正 東京地裁の違憲判決受け

先日の東京地裁の違憲判決を受け、政府・与党は、今国会中に公選法の改正を目指す方針を固めたというニュースです。
http://www.47news.jp/CN/201303/CN2013031801001499.html
反応が早いですね。いいことですね。
しかし、一票の格差、区割りの是正の方は、どうなっているんでしょうね。
こちらは、最高裁で違憲だって言われているんです。
こっちの方を早々に処理する方がいいと思うんですが。
昨日クイズ番組を見ていたら、日本の国会議員の給料(歳費)は、世界一らしいので、定数削減が出来ないのなら、せめて一票の格差是正の際に歳費削減もやってもらえませんかね。

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2013年3月15日 (金)

成年後見選挙権訴訟

この事件は、このブログでも2011年2月3日に書いた「成年後見で選挙権失効は違憲」と提訴という記事の後日談です。

東京地裁の判断は、違憲でした。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130314/trl13031420500007-n1.htm

各地でも同様な訴訟が提起されいるようです。

国民が主権者である限り、国民が有する選挙権に加える制限は、慎重に行われるべきものであると考えます。
ただ、全く制限を加えてはいけないものとも考えません。

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2012年1月25日 (水)

二重登記の土地競売、落札者が国を提訴

珍しいケースですね。判決が気になる裁判です。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20120124-OYS1T00622.htm

通常の売買の場合に認められる売主の瑕疵担保責任は、競売の場合には、認められておらず、損害賠償請求や契約解除は、できないと言われています。
瑕疵(かし)とは、キズのことです。
一般的には備わっていて当然の本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていない場合に、「瑕疵がある」と言います。

つまり、売主の瑕疵担保責任というのは、平たく言えば、「キズ物を売った売主は、損害を賠償するか。キズ物を買わされた買主は、これでは役に立たないと思えば、契約を解除してお金を返してもらう。」ということになります。

ところで、競売に瑕疵担保責任はないといっても、この場合は、二重登記で土地そのものが存在しなかったわけですから、「キズ物を売った」のではなく、「無い物を売った」ということにもなるでしょうから、判決はどうなるのでしょうね。

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2011年11月17日 (木)

裁判員制度は合憲 最高裁初判断

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011111790070056.html?ref=rank
裁判員制度導入決定以来、最高裁が推進していましたから、全員一致で合憲の意見は、当然の結果でしょう。

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2011年10月 5日 (水)

平成23年9月30日最高裁第二小法廷 不当利得返還請求事件

貸金業者がその完全子会社の顧客との間で行われた取引を貸金業者・顧客間の取引に切り替える趣旨で金銭消費貸借取引に係る基本契約を締結するに当たり、顧客の完全子会社に対する過払金等返還債務を含む全ての債務を貸金業者が引き継いだのか否かが争われた事件で、貸金業者が過払金等返還債務を負うとする判決
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81656&hanreiKbn=02

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